Mustとhave toを同じ意味だと思っている人が多いと思います。
しかし、実際には違いが大きいです。
まず、must と have to でどちらの方が使われるかと言うと、圧倒的にhave toの方が使われます。
以下のイメージを見て下さい。
左は怖い人相のヤクザ、右は仕事をいっぱい抱えた公務員です。
日常生活でどちらのタイプの人と接することが多いでしょうか?
圧倒的に仕事をいっぱい抱えている公務員だと思います。
つまり、have toの方が圧倒的に日常で使われるとをまず覚えておいて下さい。
では、なぜmustがヤクザで、have toが仕事を抱えている公務員かを説明していきます。
mustとhave toの違い
Mustはヤクザに「絶対やれよ!」と半端ない圧力を掛けられている状態です。
一方 、have toは公務員が抱えている仕事のようなものです。ヤクザと違う点は威圧的な感情はないけど「やるべき仕事が存在する」ことです。
つまり、
Mustは「絶対やれ!」という感情に重点が置かれています。
Have to は感情抜きの「やるべきことに」に重点が置かれています。
例文
- I must finish this by tonight. (これ今晩までに終わらせないとやばい)
- I want to go out but I have to finish this by tonight. (今晩本当は遊びに行きたいのだけど、終わらせないと行けいないことがあるから。)
Mustを使っている文は遊びに行くことを考える余裕がありません。今日終わらせないといけない威圧が強烈に伝わってきます。
一方、Have toを使っている文は、好き嫌い関係なく「やるべき仕事がある」から今日は遊びに行けないという「やるべきこと」を大切にしていることが伝わってきます。
他の例文
- You must turn off your phone during the flight. (飛行中は電話をオフにしなければなりません。)
- Visitors must remove their shoes before entering the temple. (訪問者は寺院に入る前に靴を脱がなければなりません。)
- You must wear a seatbelt while driving. (運転中はシートベルトを着用しなければなりません。)
- I have to attend a meeting this afternoon. (私は今日の午後に会議に出席しなければなりません。)
- They have to clean their rooms every weekend. (彼らは毎週末に部屋を掃除しなければなりません。)
- We have to pay the bills by the end of the month. (私たちは月末までに請求書を支払わなければなりません。)
Must と have to の否定形
Must と have to の否定形には本来の意味が顕著に現れます。
Must の否定形はmust not、または mustn’t になります。
意味は「絶対にやってはいけない」になります。
否定でも肯定のように圧力は強烈です。
- You mustn’t smoke in this building. (この建物内で禁煙してはいけません)
- He mustn’t be late for the meeting. (彼は会議に遅れてはいけません。)
Have toの否定形は「~してはいけない」という意味ではなく「しなくていい」になります。
have toの肯定文「~やるべきことがある」という意味が否定だと「やるべきことがなくなった」になるからです。それは、「しなくていい」という意味と同じです。
- You don’t have to bring your own lunch; we will provide it. (自分の昼食を持ってくる必要はありません。私たちが用意します。)
- She doesn’t have to work on weekends. (彼女は週末に働く必要はありません。)
推量のmust と have to
Must と have toは推量でも使われます。推量の[It must be] と [It has to be] は「~に違いない」という意味になりますが、mustとhave toの本質的な意味を知るとことでそれぞれの意味の違いが見えてきます。
実は、推量を表すのにはhave to よりmustの方がよく使われることを覚えておきましょう。
上で説明したように、義務や必要性を表すのにはhave toの方が圧倒的に使われますが、推量の場合はmustの方が使われています。
- Mustは「~に違いない」といった高い確信を伴う推量を表します。話し手が何かを確実に信じているときに使います。つまり、とても主観的に「~に違いない」と判断しています。
- Have toはより客観的に「~に違いない」と判断しています。いろいろな事情を考慮して、「~に違いない」と判断します。
例:
- It must be true. (本当に違いない)
話し手が自分の経験や知識を基に、主観的な推量を表します。
- It has to be true; there is no other explanation. (本当に違いない)
外部の状況や事実に基づいて、客観的な要因による推量を表します。
他の例文
- He must be home by now. He left one hour ago. (もう帰ってきているはずだ。彼は1時間前に帰った。)
- It must be a mistake. This can’t be right. (間違いに違いない。これは正しいはずがないから。)
- It must be cold outside. I see frost on the windows. ((外は寒いに違いない。窓に霜がついているから。)
- It must be late. The streets are empty. (遅いに違いない。通りが空っぽだから。)
- It has to be here. I saw it yesterday. (ここにあるに違いない。昨日見たから。)
- It has to be true. Everyone is talking about it. (それは真実に違いない。みんなが話しているから。)
- It has to be the best choice. We have no other options. (それが最良の選択に違いない。他に選択肢がないから。)
- It has to be today. The deadline is tomorrow. (今日に違いない。締め切りは明日だから。)
まとめ
mustとhave toは一見同じ意味に思えるかもしれませんが、実際には使い方と意味に大きな違いがあります。
Mustは強い感情と自分の意志や主観性が現れる表現です。
Have toは日常的な義務や必要性を表し、客観性が現れる表現です。
義務を表現するにはhave toの方が使われ、推量を表現するにはmustがよく使われることを覚えておきましょう。