英語を学ぶ過程で必ず出会うのが動名詞です。
動名詞は、その名が示す通り、もともと動詞だったものが名詞として機能している言葉です。
多くの英語学習者は、動名詞が英語の文法において重要であることを理解していますが、実際に上手く使いこなせているとは限りません。
この記事では、動名詞の使い方を学ぶだけでなく、実際に声に出して例文を読んでみることをおすすめします。
音声を流して、それに合わせて読み上げてみましょう。
最終的には、文字を見ずに音声のみで文章を理解し、声に出して読む練習をします。
目標は、日本語を見てすぐに動名詞を使った英文を作り出せるようになることです。
動名詞の基本情報
基本情報
- 動詞の原形に「-ing」を付け加えることで作られ、文中で名詞としての機能を果たします。
- 「~すること」と訳されることが多いです。
- 動名詞の後には、動名詞の目的語がくる場合がありまし、副詞もくることもあります。
- 例えば、I like playing the piano a lot. playingは動名詞、the pianoは動名詞の目的語でa lotは動名詞の副詞になります。
動名詞の主な用途
- 主語としての使用
例: “Swimming is my favorite sport.”(泳ぐことが私の好きなスポーツです。) - 目的語としての使用
例: “I enjoy reading.”(読書することが好きです。) - 前置詞の後での使用
例: “She is good at playing piano.”(彼女はピアノを弾くことが上手です。)
注意点
動名詞と不定詞はしばしば並列して教えられます。
動名詞を深く理解するためには、不定詞の理解も不可欠です。
この記事では、不定詞についても触れます。
さらに、動名詞は現在分詞と混同されやすいですが、動名詞、不定詞、現在分詞は英語学習の根幹に関わる部分であり、これらの文法構造を学ぶことは避けられません。
主語としての動名詞
動名詞が文の主語として使われる時、動作や活動を一つの概念として扱い、動名詞を使ってその動作や活動を名詞化します。日本語にすると「~すること」と訳されることが多いです。
「主語としての動名詞」の後に続く動詞には傾向があります。
これらの動詞は通常、状態や効果、結果を表すものが多いです。
もっとも多いのが be動詞ですが、他にも以下のような動詞を用います。
(can be, keeps, makes, helps, lets, improves, leads, brings, takes)
注意点
動名詞が主語で用いられると不可算名詞と扱われ動詞は三人称単数の扱いになります。
すなわち、動詞には “s”を付ける必要があります。
不定詞を主語に持ってきて同じ意味で表現できますが、とても堅苦しい表現になり英会話では滅多に使われません。使われるときは格言的な表現を言うときだけです。つまり、不定詞より動名詞の方が主語として圧倒的に使われます。
音声を使い以下の例文を一緒に読み上げましょう↓
- Swimming is fun. (泳ぐことは楽しいです。)
- Reading is important. (読むことは重要です。)
- Cooking takes time. (料理することには時間がかかります。)
- Jogging keeps you fit. (ジョギングは体を引き締めます。)
- Dancing is exciting. (踊ることはワクワクします。)
- Singing makes me happy. (歌うことは私を幸せにします。)
- Cooking can be a fun hobby. (料理することは楽しい趣味になり得ます。)
- Watching documentaries can be very educational. (ドキュメンタリーを見ることは非常に教育的です。)
- Reading regularly improves your vocabulary. (定期的に読書をすることは語彙力を向上させます。)
- Jogging improves your stamina.(ジョギングはあなたのスタミナを向上させます。)
- Jogging every morning keeps you healthy. (毎朝ジョギングをすることは健康を保つのに役立ちます。)
- Volunteering brings joy.(ボランティアをすることは喜びをもたらします。)
- Writing a book takes time.(本を書くことには時間がかかります。)
- Eating healthy leads to better health.”(健康的な食事はより良い健康につながります。)
目的語としての動名詞
目的語として動名詞を用いることができます。ここで大切なのは目的語としての動名詞をとる動詞に注意をすることです。
動名詞を取る動詞と不定詞を取る動詞がある事をしつ必要があります。
どの動詞が動名詞を取って、どの動詞が不定詞を取るのかを区別する必要があります。
動名詞を取る動詞は「過去志向・事実志向」という性格がります。
一方不定詞を取る動詞は「未来志向」という性格があります。
動名詞を取る動詞:「過去志向・事実志向」
動名詞を取る動詞が「過去志向・事実志向」と言われるのは、動名詞がすでに起こったこと、いま行われていること、または繰り返し行われることを表すからです。
簡単に言うと、動名詞は実際に起こった経験や、現在進行形の活動、あるいは普段の習慣を示すことが多いのです。
これらは過去や現在の実際の出来事を反映しているため、これらを使う文は「過去志向」または「事実志向」と考えられます。
例:
- I enjoy playing tennis. 「私はテニスを楽しんでいます。」
Playing tennisは既に行われていて、それを同時に楽しんでいるということになります。
動詞と動名詞が同時に進行しているとも言えるでしょう。
不定詞を取る動詞:「未来志向」
一方で、不定詞を取る動詞が「未来志向」とされるのは、不定詞が行われるべき行動、計画、願望、可能性などを示すことが多いからです。
不定詞は、まだ発生していないが将来起こり得る行動や状態を表現するのに適しており、そのため「未来志向」と見なされることが多いです。
例文
- I hope to see you at the party.
To see you at the party はまだ実際に行われていません。未来に起こることになります。
I hope は「望む」という意味でこの動詞とto不定詞には時間差が生じています。
どの動詞が動名詞をとり、どの動詞が不定詞を取るかは単純に慣れていく他にありません。
例えば、I wantの後にto不定詞が続くことは既に慣れているように、I enjoyの後には動名詞が来ることを慣れていきましょう。
不定詞の詳しい説明はこの記事を参考にして下さい。
動名詞と不定詞の違いを詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にして下さい。
英語学習者から動名詞を取る動詞を覚えることの難しさについてよく耳にします。
そこで私は、趣味について話す際には多くの動名詞が使われることに気づきました。
一つの趣味を始めるところから、それをやめるまでの過程を通して、動名詞を取る動詞を学ぶのはどうでしょうか?
以下の例文をご覧ください。
音声を使い以下の例文を一緒に読み上げましょう↓
- I consider taking tennis lessons. (テニスレッスンを始めるか考える。)
- I start taking tennis lessons. (私はテニスのレッスンを始めます。)
- I practice playing tennis. (私はテニスの練習をします。)
- I keep playing every day.(私は毎日テニスを続けています。)
- I enjoy playing tennis. (私はテニスを楽しんでいます。)
- I don’t mind playing every day. (毎日テニスをするのは構いません。)
- I spend a lot of time playing. (テニスに多くの時間を費やしています。)
- I get used to playing tennis. (テニスをするのに慣れる。)
- My teacher suggests playing in a tournament. (私の先生はトーナメントでプレイすることを提案します。)
- I end up joining the tournament. (結局、私はトーナメントに参加することになります。)
- I have a great time playing in a tournament. (トーナメントでプレイして楽しい時間を過ごします。)
- I get tired of playing every day. (毎日プレイすることに疲れてきます。)
- I put off going to lessons. (レッスンに行くことを先延ばしにします。)
- I avoid taking lessons. (レッスンを受けることを避けます。)
- I quit playing tennis. (テニスをやめます。)
- After quitting, I miss playing tennis. (やめた後、テニスをすることが恋しくなります。)
これは、趣味を始めてから辞めるまでの過程が一つのストーリーになっています。
このストーリーに需要な動名詞を取る動詞が含まれています。覚えておくととても便利になります。
動名詞とto不定詞が目的語になる動詞
動詞には、動名詞とto不定詞のどちらも目的語として取れるものがあります。
これらの動詞は二つのグループに分けられます。
音声を使い以下の例文を一緒に読み上げましょう↓
1. 動名詞とto不定詞のどちらを使っても同じ意味になるもの
例: like, love, hate, begin, start.
例文:
- I like playing tennis.
- I like to play tennis.
これらの例では、意味に大きな違いはないため、どちらの形式を使っても問題ありません。他の動詞(love, hate, begin, start)も同様です。
2. 動名詞とto不定詞で意味が異なるもの
例: remember, forget, regret, stop.
- Please remember to lock the door. (ドアをロックすることを忘れないように)
- I don’t remember locking the door. (ドアをロックしたかを覚えていない。)
Remember to は「~するのを忘れずに、覚えている」
Remember ~ingは「~したのを覚えている」
ここでポイントはto不定詞は「~するのを」に対して、rememberは「~したのを」になります。
他の例文を見ましょう。
- I forgot to tell her (彼女に言うことを忘れた。)
- I forgot telling her (彼女に言ったことを忘れた。)
- I regret to say that I can’t attend your wedding. (残念ながら、あなたの結婚式に出席できないことをお伝えします。) Regret to は「残念ながら~する」と訳されます。
- I regret saying that. (言ったことを後悔しています。)
Regret ~ingは「~したことを後悔する」と訳されます。
- I stopped to smoke. (タバコをするために立ち止まった。)
- I stopped smoking. (タバコを辞めた。)
上で説明したように、動名詞は「過去志向」でto不定詞は「未来志向」になることを忘れないようにしましょう。ここでは、過去志向である動名詞は「~した」と訳され、未来志向である不定詞は「~する」と訳されます。
動名詞を否定する
動名詞を否定する場合は、動名詞の前に「not」を置きます。本動詞を否定するのと動名詞を否定するのでは、意味が異なりますので注意が必要です。
- 「I didn’t regret taking the opportunity.」(チャンスをつかんだことを後悔していない。)
- 「I regret not taking the opportunity.」(チャンスをつかまなかったことを後悔している。)
上の例文では、本動詞を否定すると「後悔していない」+「チャンスをつかんだこと」という意味になりますが、動名詞を否定すると「後悔している」+「チャンスをつかまなかったこと」という意味になります。どの部分を否定するかによって意味が変わるので注意しましょう。
多くの英語学習者は動名詞の否定に慣れていないかもしれません。 以下の例文を音声と読み上げて、動名詞の否定文になれましょう!
- I spent time not thinking about work.(仕事のことを考えずに時間を過ごしました。)
- I regret not taking the opportunity.(その機会を利用しなかったことを後悔しています。)
- I remember not feeling well that day.(その日は体調が悪かったことを覚えています。)
- I am used to not sleeping much.(あまり寝ないことに慣れています。)
- I enjoy not being in a hurry.(急がないでいることを楽しんでいます。)
- I ended up not going to the party.(結局、パーティーには行きませんでした。)
- I consider not going out tonight.(今夜は外出しないことを考えています。)
- I finished without completing my tasks.(タスクを完了せずに終えました。)(withoutが否定形にしている。)
- I can’t stand not being productive. (非生産的であることが我慢できません。)
- He admits not doing his best. (彼は最善を尽くさなかったことを認めています。)
- They considered not taking the trip. (彼らはその旅行をしないことを考えました。)
前置詞の後の動名詞の使用
動名詞は、前置詞の後で頻繁に使用されます。通常、前置詞の後には名詞が来るため、名詞の形を取る動名詞が適しています。以下に、動名詞を伴いやすい前置詞の例を示します。同時に[動詞+前置詞]、[形容詞+前置詞]の組み合わせも覚えると役に立ちます。
これらの例を声に出して練習すると、文法理解が深まります。
音声を使い以下の例文を一緒に読み上げましょう↓
- I’m interested in learning Spanish. (私はスペイン語を学ぶことに興味があります。)
- He is good at playing guitar. (彼はギターを弾くのが上手です。)
- She is tired of waiting. (彼女は待つことにうんざりしています。)
- We talked about going to the beach. (私たちはビーチに行くことについて話しました。)
- They were excited about participating in the festival. (彼らは祭りに参加することにワクワクしていました。)
- I’m looking forward to meeting you. (あなたに会うのを楽しみにしています。)
- He apologized for being late. (彼は遅れたことを謝りました。)
- She is responsible for organizing the event. (彼女はイベントを企画することに責任があります。)
- We are focused on improving our skills. (私たちはスキルを向上させることに集中しています。)
- They insisted on paying for the meal. (彼らは食事代を払うことを譲りませんでした。)
- I feel like seeing an action movie. (アクション映画を見たい気分です。)
- It’s worth trying. (試す甲斐はあります。) *worthは前置詞です。
まとめ
動名詞を効果的に学ぶには、それを自分の英会話に取り入れることが重要です。動名詞の使い方を理解し、繰り返し練習することが鍵です。上記の例文を何度も読み返し、最終的には瞬間英作文の練習をしましょう。
瞬間英作文とは、日本語の文を見た瞬間に、それに対応する英文を即座に言えるようになるための練習方法です。日本語の文を見てすぐに英語が口から出てくるようになれば、動名詞を使うスキルが自然と身についている証拠です。練習を重ね、動名詞の使用に慣れていただければ幸いです。
瞬間英作文
(日本語の文を見た瞬間に、英文を即座に言えるようにしましょう)
- 泳ぐことは楽しいです。
- 料理することには時間がかかります。
- 踊ることはワクワクします。
- 歌うことは私を幸せにします。
- 料理することは楽しい趣味になり得ます。
- ジョギングはあなたのスタミナを向上させます。
- 毎朝ジョギングをすることは健康を保つのに役立ちます。
- ボランティアをすることは喜びをもたらします。
- 健康的な食事はより良い健康につながります。
- テニスレッスンを始めるか考える。
- 私はテニスのレッスンを始めます。
- 私はテニスの練習をします。
- 私は毎日テニスを続けています。
- 私はテニスを楽しんでいます。
- 毎日テニスをするのは構いません。
- テニスに多くの時間を費やしています。
- テニスをするのに慣れる。
- 私の先生はトーナメントでプレイすることを提案します。
- 結局、私はトーナメントに参加することになります。
- トーナメントでプレイして楽しい時間を過ごします。
- 毎日プレイすることに疲れてきます。
- レッスンに行くことを先延ばしにします。
- レッスンを受けることを避けます。
- テニスをやめます。
- やめた後、テニスをすることが恋しくなります。
- ドアをロックすることを忘れないように
- ドアをロックしたかを覚えていない。
- 残念ながら、あなたの結婚式に出席できないことをお伝えします。
- タバコを辞めた。
- その日は体調が悪かったことを覚えています。
- その機会を利用しなかったことを後悔しています。
- 仕事のことを考えずに時間を過ごしました。
- 結局、パーティーには行きませんでした。
- 彼は最善を尽くさなかったことを認めています。
- 非生産的であることが我慢できません。
- 私はスペイン語を学ぶことに興味があります。
- 彼はギターを弾くのが上手です。
- 彼女は待つことにうんざりしています。
- あなたに会うのを楽しみにしています。
- 彼は遅れたことを謝りました。
- 彼女はイベントを企画することに責任があります。
- アクション映画を見たい気分です。
- 試す甲斐はあります。
- Swimming is fun.
- Cooking takes time.
- Dancing is exciting.
- Singing makes me happy.
- Cooking can be a fun hobby.
- Jogging improves your stamina.
- Jogging every morning keeps you healthy.
- Volunteering brings joy.
- Eating healthy leads to better health.
- I consider taking tennis lessons.
- I start taking tennis lessons.
- I practice playing tennis.
- I keep playing every day.
- I enjoy playing tennis.
- I don’t mind playing every day.
- I spend a lot of time playing.
- I get used to playing tennis.
- My teacher suggests playing in a tournament.
- I end up joining the tournament.
- I have a great time playing in a tournament.
- I get tired of playing every day.
- I put off going to lessons.
- I avoid taking lessons.
- I quit playing tennis.
- After quitting, I miss playing tennis.
- Please remember to lock the door.
- I don’t remember locking the door.
- I regret to say that I can’t attend your wedding.
- I stopped smoking.
- I remember not feeling well that day.
- I regret not taking the opportunity.
- I spent time not thinking about work.
- I ended up not going to the party.
- He admits not doing his best.
- I can’t stand not being productive.
- I’m interested in learning Spanish.
- He is good at playing guitar.
- She is tired of waiting.
- I’m looking forward to meeting you.
- He apologized for being late.
- She is responsible for organizing the event.
- I feel like seeing an action movie.
- It’s worth trying.