「したことがある」という表現は、日常会話で非常に頻繁に使われます。こんなふうに会話中に使ったことはありませんか?
「あっ、そこ行ったことある!」
「それ聞いたことある~」
「その映画見たことある~」
私たちはこれを日常的に使っていますよね?
この英語表現を使えると、相手と共感しやすくなり、会話が弾みます。また、自分が話すきっかけにもなります。はっきり言って、これを言えないと困ることもあります。。😓
「したことある」を英語で表現するには現在完了形を用います。
私は英語を20年間教えてきましたが、現在完了形を教える時にいつもこの表現から教えています。それは、現在完了形の中でも最も頻繁に使われるフレーズだからです。
「したことある」を英語で表現
これらの英語フレーズを何度か口に出して練習しましょう。
何度か読んで言えるようになったら、文字を見ずに以下の6つのフレーズを言ってみましょう。
- I’ve been there. (行ったことがある)
- I’ve seen it. (見たことがある)
- I’ve heard of it. (聞いたことがある)
- I’ve tried it. (試したことがある)
- I’ve done it. (やったことがある)
- I’ve experienced it. (経験したことがある)
この表現を使うにあたって多くの生徒が間違えることを紹介します。
I’ve の発音に注意
I have は I’ve と略されます。この発音が日本人が苦手とする “v” (発音記号は[víː])の音が含まれます。
“v”の発音では、
下唇を少し前に突き出し、上の前歯に軽く触れさせます。
空気を歯と唇の間から押し出します。この時、喉ではなく、口の中で振動を感じるようにします。
日本語の「アィブ」ではなく「アィヴ」です。
多くの英語学習者はこの “V” の音を省略する傾向があるため、意識して練習しましょう。
上の音声を真似て練習しましょう。
I’ve gone thereは間違い
“gone” と “been” の違いを理解しましょう。
例えば:
①My father is not home now. He has gone to work.
②My mother is home now from her trip. She has been to Korea.
この二つの文の違いはなんでしょうか?
①のfatherは仕事に行ってまだ家に戻ってきてない状態です。
②のmotherは韓国に行って家に戻ってきている状態です。
つまり“have gone”は「行ったまま」の状態で”have been” は「行ったことがある」という意味で使います。
「行ったことがある」と表現したい場合は “I’ve been there” と言いましょう。
Heard の発音は「ヒァード」ではなく「ハード」
Heardの原形はhearです。発音は「ヒァー」。
しかし、その過去形の発音はヒァードではありません。「ハード」に近い音になります。発音記号は「hə́ːrd」。
上の音声を聞いて確認をお願いします。
I’ve knownは使わない
上で紹介した6つの文の中に「知っている」という表現がありません。
“Know”という動詞が他の6つの動詞と本質的に違います。
6つの動詞は経験を表す動詞ですが、”know”は経験を表す動詞でありません。
したがって「知っている」を現在完了形で言うと、「ずっと昔から知っている」という意味になります。
会話中で「それ知ってる」と表現したい場合は、”I know” と言います。
例:”Yeah, I know that place.”(ああ、その場所知ってるよ。)
Everは使わず、beforeを使う
“I’ve ever been there” という表現をする生徒がいますが、”ever” を入れるべきではありません。
「今までに」という意味合いを入れたい場合は、”ever” ではなく “before” を用います。
例文:
× I’ve ever been there
○ I’ve been there before. (以前に行ったことがある)
Agoは過去形だけで使えます
時制を示すもう一つの重要なポイントは、現在完了形で “ago” を使ってはいけないことです。
“ago” は過去形でのみ使われます。現在完了形は特定の過去を表現することはできません。
× I’ve been there 2 years ago.
○-I went there 2 years ago. (2年前にそこに行った)
会話で経験を表す現在完了形を使った後に、過去形を使ってその経験について具体的に話しましょう。
I’ve been there before. (以前にそこに行ったことがある) ← 現在完了形
It was 2 years ago. I went there with my friends. I had a great time. (それは2年前のことで、友達と一緒に行った。すごく楽しかった) ← 過去形
経験を表す現在完了形は、過去にそのような経験があったことを示しているだけで、その具体的な内容を話す際には過去形を用います。
「したことない」を英語で表現する
「したことある」と同様に頻繁に使われる表現です。
「したことがない」を否定するには、「never」を使います。
「not」も使えますが、会話では「これまでに」という意味を強調するために「never」がよく使われます。
- I’ve never been there. (行ったことがない)
- I’ve never seen it. (見たことがない)
- I’ve never heard of it. (聞いたことがない)
- I’ve never tried it. (試したことがない)
- I’ve never done it. (やったことがない)
- I’ve never experienced it. (経験したことがない)
これも音声と一緒に音読し、練習を重ねて慣れていきましょう。
「~したことありますか?」の疑問形もマスターしよう
疑問形を言えるようになると完璧です。
疑問形では「ever」を使うことが多く、「いままでに」という意味が強調されます。
疑問形は自分の経験を話した後に相手にもそのような経験があるかを尋ねるのに役立ちます。
音声と一緒に音読し、いつでも使えるようにしましょう!
- Have you ever been there? (行ったことありますか?)
- Have you ever seen it? (見たことありますか?)
- Have you ever heard of it? (聞いたことありますか?)
- Have you ever tried it? (試したことありますか?)
- Have you ever done it? (やったことありますか?)
- Have you ever experienced it? (経験したことありますか?)
まとめ
現在完了形を使った「したことがある」という英語表現を6つ紹介しました。
これらは英会話で最も頻繁に使われる現在完了形の表現なので、口に出して反復練習することが重要です。
英会話では即座に反応する力が特に大切です。
紹介した6つのポイントを意識しながら練習を重ねましょう。
否定形や疑問形も使えるようになれば、さらに会話の幅が広がります。
練習を続ければ、間違いなくこれらの表現を使いこなせるようになるでしょう。Good luck!
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