ここで紹介する「like」は、「好き」という意味ではなく、「~のような」「~に似ている」「例えば」といった類似性を表現するために使うものです。
この「like」を使うことで、比喩的な表現が可能になります。つまり、表現したいことを他のものに例えることで、より生き生きとした描写ができるようになるのです。
例えば、”She sings well.”(彼女は上手に歌う)というシンプルな文を、より具体的に表現すると、次のようになります。
- She sings like a pro. (彼女はプロのように歌う)
- She sings like an angel. (彼女は天使のように歌う)
- She sings like a star. (彼女はスターのように歌う)
- She sings like no one else. (彼女は他の誰とも違う歌い方をする)
このように「like」を使いこなせるようになると、イメージが鮮明になり、読者や聞き手により強い印象を与えることができます。それと同時にあなたの表現力が一層豊かになり、英語力の向上につながることは間違いありません。
Like の使い方
Likeは前置詞と、接続詞として使われることが多いです。
- 前置詞の場合、[文+前置詞+名詞]です。
- 接続詞の場合、[文+前置詞+文]です。
前置詞のlike
前置詞の「like」は、「~のように」や「~に似ている」という意味を持ち、後に名詞や名詞句が続きます。この使い方によって、他のものと比較して物事の特徴を簡潔に、そして視覚的に表現するのに非常に効果的です。
- She dances like a ballerina.
(彼女はバレリーナのように踊る。) - He works like a machine.
(彼は機械のように働く。) - He drives like a professional racer.
(彼はプロのレーサーのように運転する。) - The clouds look like cotton candy.
(雲が綿菓子のように見える。) - He swims like a fish.
(彼は魚のように泳ぐ。) - She laughs like a child.
(彼女は子供のように笑う。)
接続詞のlike
接続詞としての「like」は、2つの文をつなげる際に使われます。「like」の後に完全な文が続き、その文全体を他の状況や行動に例える形で表現しています。
接続詞としての「like」は「~のように」「~と同様に」といった意味を持っています。
- He talks like he knows everything.
(彼はすべてを知っているかのように話す。) - It looks like it’s going to rain.
(雨が降りそうだ。) - She acts like she doesn’t care.
(彼女は気にしていないかのように振る舞う。) - He runs like he is late.
(彼は遅れそうな感じで走っている。) - It feels like summer is coming.
(夏が来るような感じがする。)
具体的な例えを表すlike
前置詞の「like + 名詞」は、比喩的な表現として使われることが多いですが、具体例を示す際にも使われます。この2つの使い方の違いを理解することが重要です。
- 比喩的な使い方の例:
The cloud looks like cotton candy.
(雲が綿菓子のように見える。)
- 具体例を示す使い方の例:
I like sports like soccer and basketball.
(私はスポーツが好きです。例えば、サッカーやバスケットボール。)
具体例を示す使い方の例:
- I enjoy outdoor activities like hiking, cycling, and swimming.
(私はハイキングやサイクリング、水泳のようなアウトドア活動が好きです。) - She collects things like stamps, coins, and vintage postcards.
(彼女は切手やコイン、ビンテージの絵はがきのようなものを集めています。) - We visited several cities like Tokyo, Osaka, and Kyoto.
(私たちは東京、大阪、京都のような複数の都市を訪れました。)
具体例を表すsuch as
「like」と同様に、具体例を示すために使われる表現に「such as」もあります。「such as」は「例えば」「~のようなもの」という意味で、具体的な例を挙げる際に使います。ただし、「like」とは異なり、「such as」は比喩的な表現には使えません。あくまで具体的な例を示すためにのみ使用されます。
- I enjoy outdoor activities such as hiking and camping.
(私はハイキングやキャンプのようなアウトドア活動を楽しみます。) - He studies subjects such as math and science.
(彼は数学や科学のような科目を勉強しています。)
「似ている」を表すlike
Like は比喩を表すために使われると説明してきましたが、「like」は、「~に似ている」という意味で使われ、物事や人を他のものや人に例えて表現する際に使います。
例えば、
- You look like your mother.
(お母さんに似ているね。) - My friend looks like a super-model.
(私の友達はスーパーモデルのようだ。)
Look以外に似ている要素を動詞を変えることで表現できます。
- Think like (~のように考える)
You think like a detective.
(探偵のように考えるね。)
- Talk like (~のように話す)
He talks like his father.
(彼は父親のように話します。)
- Act like (~のように行動する)
She acts like a celebrity.
(彼女はセレブのように振る舞う)
フィラーとしてのlike
フィラーとは埋め草言葉です。
「like」は、英語の会話で非常に頻繁に使われるフィラーとして使われます。フィラーとしての「like」は、話の途中で間を取ったり、言葉を探しているときに使われます。また、話に少し曖昧さを加えたり、口語的なニュアンスを持たせるためにも使われます。
フィラーとしての「like」は、カジュアルな場面でよく使われますが、文法的な意味を持たないため、正式な文書やフォーマルな会話では避けた方が良いです。
- I was, like, really tired after the trip.
(旅行の後、なんか、本当に疲れたよ。) - She was like, ‘I can’t believe it!’
(彼女は、「信じられない!」って感じだった。) - It’s, like, so cold outside today.
(今日は、なんか、すごく寒いよね。)
「like」を使った定型表現
「like」を使った「~のような」という意味の定型表現があります。これらのフレーズは、そのまま覚えて、状況に応じて使える便利な表現です。
- He eats like a horse.
(彼は大食いだ。) - She eats like a bird.
(彼女は小食だ。) - He drinks like a fish.
(彼は酒を浴びるように飲む。) - She works like a dog.
(彼女は犬のように一生懸命働く。) - I slept like a log last night.
(ぐっすり眠りました。)
ちなみに、これらのフレーズは歌詞にもよく使われています。たとえば、”Work like a dog”(犬のように一生懸命働く)と “Sleep like a log”(ぐっすり眠る)は、ビートルズの有名な曲 “A Hard Day’s Night” の中で使われています。
歌詞の一部は次のとおりです:
A Hard Day’s Night by the Beatles
It’s been a hard day’s night,
And I’ve been working like a dog.
It’s been a hard day’s night,
I should be sleeping like a log.
But when I get home to you,
I find the things that you do
Will make me feel alright.
この歌詞では、長い一日の仕事で疲れ果てた様子と、それによってぐっすり眠るべきだという気持ちが表現されています。
まとめ
「like」は、英語において非常に多様な使い方ができる便利な言葉です。
比喩として「~のようだ」と表現することで、描写を豊かにしたり、具体例を挙げる際に使うことで説明をわかりやすくすることができます。
また、接続詞として2つの文をつなげて状況をより具体的に例えることもできます。
カジュアルな会話ではフィラーとして自然な間を作る役割も果たします。
「like」を上手に使いこなすことで、英語表現力が格段に向上し、コミュニケーションがより効果的になります。多くの場面で活用し、英語力をさらに高めましょう。