よく「英会話学習においてアウトプットが重要」と言われますが、多くの人がスピーキングを最も大切なアウトプットだと考えがちです。
しかし、実際にはライティング、特に日記を書くことの方が学習効果が高いのです。
この投稿をご覧の皆さんの多くが、英会話の上達を目指して日記を始めることを考えているかもしれません。
その選択は非常に賢明です!
実は、英会話に挑戦する人の9割は挫折しています。
その主な理由は、「英語を話すことで英語が上達する」という単純な考え方が原因です。
つまり、最初からスピーキングに焦点を当て過ぎるのです。
しかし、効果的な学習順序はまずライティング(日記を書くこと)から始め、それからスピーキング(英会話)へと進むことです。
英語日記の学習効果
英会話レッスンの充実
英会話を実践している多くの人はレッスンを受講するだけで英語が上達すると考えがちです。
その考えは受身的で英語があまり身になりません。
レッスンで話す内容が自分の知識範囲内のものになり、話題も表現も限られてしまいます。
しかし、日記を通して事前に話したい内容を考えることで、レベルの高い英語にすることができます。
そして、毎回の英会話レッスンが充実した内容になります。
表現力の向上
日記をつけることで、自分の表現したいことをじっくりと考えることができます。
英会話レッスンだと考える時間がないため、突発的なことしか表現できません。
日記をつけることで、辞書やAIを利用して、ワンランク上の英語にすることでできます。
これは英語レベル向上に欠かせない作業です。
英語に触れる時間の増加
英語日記はスマートフォンだけで始められる手軽さが魅力です。
通勤やちょっとした隙間時間にも最適で、効果的に学習時間を増やすことができます。
中級レベルに到達するためには、少なくとも300時間の学習が必要とされています。
これは、毎日1時間を1年間続けることを意味します。
仕事や家事、子育てで忙しい方にとって、まとまった学習時間を確保するのは難しいかもしれません。
そこで、隙間時間を利用して英語日記をつけることが、効率的な学習法となります。
英語日記の始め方
デジタルとアナログで日記を書く
デジタルとアナログを併用して日記を書きましょう。
隙間時間にはスマートフォンを利用して日記をつけると便利です。
様々なアプリがありますが、私のお勧めはLINEを使った方法です。
LINEで自分だけのグループを作り、そこに思いついたことを記録するのです。一人グループの作り方はこちらを参照してください。
アナログでの日記はノートを使いましょう。
少し良いノートを選ぶと、モチベーションも上がります。
手書きの重要性は、記憶により深く定着することにあります。
UCLAの心理学者による研究で、手書きの方がパソコンやスマホでのタイピングよりも記憶に残りやすいことが明らかにされています。
また、自分の文字でノートが埋まっていく様子を見ることで、学習の進捗を実感できます。
ノートに愛着を持ち、書く楽しみを見つけることが大切です。
文字だけでなく、絵や図を描いて工夫を凝らすのも良いでしょう。
結論:スマートフォンは、アイデアを箇条書きで記録するのに便利です。
一方で、ノートには文章を書き込むことで、内容を記憶に定着させます。
スマートフォンとノートをうまく使い分け、それぞれの利点を活かしながら学習を進めましょう。
ハッキリした目標を持つ
明確な目標を持って日記をつけましょう。
その目的は、英語を流暢に話せるようになることです。
この過程で、日記の成果を共有できる場を確保することが大切です。
手軽でリーズナブルなオンラインレッスンをお勧めします。
多くの会社が様々なコースを提供していますが、私たちの学校では、生徒が1年間で英会話をマスターできるよう、コーチング式のアプローチを採用しています。
他の多くの英会話学校では挫折する生徒が多い中、当校では9割以上の生徒が1年間続けています。
興味があれば、ぜひトライアルレッスンを受講してみてください。
週に数回、英会話講師と話す機会を持つために日記をつけることには、ある程度の強制力が伴います。
多くの人は「意志が強い」とは言えないため、このような強制力は誰にでも必要だと思います。
様々な話題についての準備が必要です。
理想的には毎日日記をつけることですが、実際には週に3~5回程度でも良いでしょう。
明確な「英会話で話す」という目標を持って日記をつけることは、目標がない場合と比べてモチベーションが異なります。
英語日記の書き方
日記のトピック選びについて
日記を書き始める際は、典型的は日記形式、つまり「今日起きたこと」から始めるもの一つの方法です。
しかし、これには欠点があります。
私たちの会話では過去の出来事に限定して話すことはありません、幅広い話題を含みます。
始めは天気の話など簡単なものから始めても良いですが、徐々に話題を広げていくことが大切です。
様々なトピックについて書くことを英語で「ジャーナリング」と呼ばれます。
一方、「今日起きたこと」について書くものを「ダイアリー(日記)」とされています。
英会話で役に立つ書き方としてはジャーナリングが適しています。
最初はダイアリー形式で書いても構いませんが、徐々にジャーナリングへ移行することをお勧めします。
ただし、ジャーナリングにおいては、話題を選ぶ際に注意が必要です
初心者や中級者の段階では、政治、経済、時事など専門用語が多くなるような難しいトピックは避け、日常生活を表現するようなトピックを選ぶと良いでしょう。
多様なトピックがありますが、当校で使用しているトピックリストを参考にしてみてください。
英語日記を書くコツ
日記の書き方には便利なコツがあります。
「事実から始めて、詳しく事実を述べ、最後に感情で終わる」という構造です。
内容が思いつかない時は、事実を説明することから始めましょう。
例えば、
I go to the gym near my office every week. (事実)
I signed up 3 months ago. (事実)
The gym has nice equipment and it’s really clean. (事実)
I sometimes talk to other people working out. (事実)
I’ve made some friends there. (事実)
I’m having fun going there. [感情]
事実が思いつかない場合は、Wh質問を使ってみましょう。
これにより、具体的な文章が書けますが、全部の質問を使う必要はありません。必要なものだけを選びましょう。
What – 何?
When – いつ
Where -どこで
Who – 誰と
Why – なぜ
How – どうやって
最後に、感情や感想を加えることが重要です。
感情や感想がないと、共感を得にくい話になりがちです。
会話の目的は感情のやりとりにあり、自分の感情や感想をうまく表現することが大切です。
感情の表し方の基本を押さえておきましょう。
感情の表し方
- 一番使う感情表現、形容詞で表現
感情を表現する際に最もよく使われるのは、形容詞を用いた表現です。「[主語+be動詞+形容詞]」の構造が基本です。
まずは多くの形容詞を覚えることで、感情をシンプルかつ直接的に伝えることができます。
形容詞を使うとき、「It’s+形容詞」のフレーズは事柄の特徴を、「I’m+形容詞」のフレーズは自分の内面の感情を表します。
It’s…(形容詞・名詞)
It’s fun 「楽しい」
It’s hard / tough 「大変・辛い」
It’s scary 「怖い」
It’s nothing. 「大したことないよ」
It’s a pain in the neck. 「面倒」
It’s interesting 「面白い」
It’s exciting. 「ワクワクする」
It’s funny. 「ウケる」
It’s amazing. 「素晴らしい」
I’m…(形容詞)
I’m happy. 「幸せ」
I’m lonely. 「寂しい」
I’m sad. 「悲しい」
I’m interested 「興味がある」
I’m scared. 「怖い」
I’m surprised. 「驚いた」
2. 名詞で表す感情表現
名詞を使って感情を表すこともできます。「[I have + 名詞句]」の形で使います。ここで名詞句とは2語以上からなる語句です。
[I have a + 形容詞 + time/day/trip/experience]
I’m having a fun time. 「今、楽しんでいます」
Have an nice day! 「良い1日を」
I had nice trip. 「楽しい旅行でした」
I had an great experience. 「素晴らしい経験をしました」
3. 動詞で表す感情表現
動詞を使った感情表現もあります。ここでは「[I + 動詞(感情表現)+ 目的語]」の形を取ります。
[I +(動詞=感情表現)+目的語]
I enjoy cooking 「料理することが楽しいです」
I love playing tennis 「テニスすることが好きです」
I don’t mind chores. 「家事は気にならないです」
I can’t stand commuting. 「通勤が我慢できません」
I can’t help watching Netflix. 「ついついネットフリックスを見てしまいます」
I look forward to seeing you. 「会うのを楽しみにしています」
会話の中で感情を表現することが、最も重要なポイントになります。
英語は特に感情豊かな言語です。日本語より遥かにストレートに感情を表現する傾向があります。
感情豊かに英語日記を書く方法
初心者には最初に日記を日本語で書いてから、それを自分で英語に置き換えることをお勧めします。ただし、この方法では日本語特有の感情表現になりがちで、英語ではハッキリと何が言いたいか伝わりいくい話し方になる傾向があります。
そこで、ネイティブが書いた日記を読むことをお勧めします。特に感情の表現方法に注目しましょう。
ネイティブ日記をもっと参考にしたい方は以下のリンクをクリック
2017年のネイティブジャーナル
2018 年のネイティブジャーナル
ネイティブ日記の例
One of my students just returned from Hawaii. She gave me a souvenir from Hawaii. It is shortbread cookies. Let me tell you, they taste amazing. They are the best cookies I’ve tasted!! I have a problem, though. I love sweets more than anything so I keep eating and eating them. Every time I eat them, I put on weight. It’s almost summertime and I want to look good in my bikinis. *)
ここの文章からこんな感情表現をしています。
They taste amazing! 味が素晴らしい
Best cookies I’ve tasted. 今まで食べたクッキーの中で一番だ。
I love sweets more than anything. 何よりも、スイーツが好き
この文章から、「美味しい」や「大好き」といった感情を、様々な言い回しで表現していることがわかります。
英語で話す時には、一つの感情を複数の言い方で少し大げさに表現することが効果的です。
日本語とは異なり、特に感情を表す際にはオーバーに表現してみると良いでしょう。
Chat GPTを英語日記に活用
2023年、文章生成AIのChat GPTが世界的に広まりました。
これからの言語学習において、Chat GPTは非常に強力なツールとなるでしょう。
英語日記をChat GPTで添削することで、ネイティブに匹敵する、またはそれ以上の精度の高いフィードバックを得ることが可能です。
ただし、添削を依頼する際には、自分の英語レベルに合ったアドバイスを求めることが重要です。
ネイティブレベルの添削を受けても、実際の会話で使いこなせなければ意味がありません。
重要なのは、自分の言葉に近い形で、正しい英語の表現や文法を取り入れた話し方をすることです。
そのためには、自分の英語レベルをChat GPTのプロンプト(AIへの指示)に含めることが大切です。
Chat GPTに自分の英語レベルを伝えるときにCEFR基準を使います。
CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)は、言語学習の能力を評価・比較するための国際的な基準です。A1(初心者)からC2(上級者)までの6段階で、聞く、読む、話す、書くの4技能を測定します。
例えば、以下の文章をChat GPTに添削してもらいましょう。
プロンプトは以下のようなものになります。
あなたは英語の先生であり、私は日本人の生徒です。
英語の添削をお願いします。
CEFR(Common European Framework of Reference for Language)のレベル標準で文章を直してください。
ステップの指示に従い添削をお願いします。
#文章
I tell you about my friend. He’s my best friend. We go to same High School. Recently, he changed his job and move to Tokyo. Before, we always go drinking but now he move so we can’t go. I feel lonely. I want to go drinking with him.
#CEFR
A2
#ステップ
{文章}を{CEFR}で指定されたレベル学習者向けの単語、文法を使用して、英会話で使える会話に英語でリライトしてください。
不自然な文章だけを直してください。
修正した場合はその理由も教えてください。
リストを使って、添削してくれた部分と添削理由を日本語で教えてもらえますか?
修正後の文章:
“I want to tell you about my friend. He is my best friend. We went to the same high school. Recently, he changed his job and moved to Tokyo. We used to go drinking together, but now he has moved, so we can’t. I feel lonely. I wish we could go drinking together.”
添削理由:
- “I tell you” を “I want to tell you” に修正:A2レベルでは現在形よりも意向を表す形を使うことが一般的です。
- “move” を “moved” に修正:過去の出来事を表すために過去形を使用。
- “we always go drinking” を “we used to go drinking together” に修正:過去の習慣を表現するために “used to” の構造を使用。
- “now he move” を “now he has moved” に修正:完了形を使って最近の変化を表現。
- “I want to go drinking with him” を “I wish we could go drinking together” に修正:A2レベルでは、状況を願う表現が適切です。
ここで重要なのは、元の文章から大きく変更せず、誤った英語を修正し、より自然な表現にすることです。
また、添削した箇所の説明が付いているので、理解しやすいと思います。
修正後の英語は、そのまま英会話で使用可能です。
このプロンプトを活用する際は、#CEFRのレベル設定と#文章を自分に合わせて変更し、その他の部分はそのまま使用できます。
添削された日記をスピーキング練習する
日記を書いた後、Chat GPTで添削してもらったら、それを基にスピーキング練習をしましょう。
日記の目的は英会話の練習にあることを忘れずに。
スピーキング練習は、プレゼンのように行うのが良いでしょう。
マインドマップを使って、日記からキーワードを抜き出し、それを使って練習する方法が効果的です。
ただし、文章をそのまま読むだけではスピーキング練習になりませんし、暗記することもお勧めしません。
大切なのは、キーワードから思いついた内容を瞬時に話せるようにする練習です。
これを繰り返すことで、流暢に英語を話せるようになります。
英語を自動的に話せるようになることが、学習の成果です。言語の自動化を目指して練習しましょう。
ノートの構成
ノートに自分の文章、AIのフィードバック、マインドマップを書くことをお勧めします。
左ページに自作の文章とマインドマップを、右ページにはAIや講師からのフィードバック、覚えたいフレーズや他の例文を記入しましょう。
一つのトピックにつき2ページ使うと良いでしょう。
10のトピックで日記を書き、完成すれば英会話のスキルアップを感じられるはずです。
これにより、受け身の学習から能動的な会話へと変化していくでしょう。
日記ノートを埋めるころには、確実に英語力が向上しています。
また、私は初心者向けのコーチング式オンライン英会話を提供しており、1年間で英語を話せるようになるカリキュラムを実施しています。
価格も手頃なので、ぜひトライアルレッスンを受けてみてください。
LINEでの登録後、質問や「トライアル希望」とのメッセージをお待ちしています。
まとめ
初心者にとって、スピーキングよりも日記を書くことが最も重要です。
しかし、日記をつける目的はスピーキング能力の向上にあります。
日記をつけることで、英会話レッスンが充実し、表現力が向上し、学習時間も増加します。
日記を始める際には、スマートフォンとノートの両方を活用しましょう。
週に3回以上は日記をつけて、英会話の準備に役立ててください。
日記を書く際には、トピックを選び、事実から始めて最後に感情を表現するようにします。
感情を豊かに表現し、Chat GPTで正しい英語に添削してもらいましょう。
最後に、マインドマップを使った練習を行うことで、言語の自動化に繋がります。
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