英会話では、「週末は何をしましたか?」という過去形の質問がよく出ますよね。
私は20年間英会話の講師をしてきましたが、多くの生徒が過去の出来事を話す際に、単純過去形に頼りすぎていることに気づきます。
例えば、こんな風に話す生徒が多いです:
「I saw my friend and we had dinner. After that, we went to a cafe and talked.」
(友達に会って、一緒に夕食を食べました。その後、カフェに行って話しました。)
ちょっと退屈な感じがしませんか?
そこで私は、”was able to” の使用を生徒に勧めています。
「I saw my friend and we were able to have dinner. After that, we went to a cafe and were able to talk some more.」
(友達に会って、一緒に夕食をとることができました。その後、カフェに行ってもっと話すことができました。)
これだと、より楽しい印象になりますね。
しかし、“was able to” を使う際には “could” との違いに注意する必要があります。この投稿では、”was able to” と “could” の違いについて詳しく説明します。
“(was/were) able to” の理解:単純過去形との微妙な違い
英語を学ぶ上で、「単純過去形」と「was able to」の違いを理解することは重要です。
一見すると大きな違いがないように思えるかもしれませんが、実際には会話の印象を大きく変えることができます。
単純過去形は「できた」という事実を述べるのに用います。
例えば、
- 「I finished the report.」(レポートを仕上げました)
単にレポートを仕上げたという事実を表しています。
一方で、「was able to」は「することができた」という、何らかの「希望や願いが実現した」ことを指します。
例えば、
- 「I was able to finish the report despite the computer problems.」(コンピューターの問題にもかかわらず、レポートを仕上げることができました)
この文は、困難を乗り越えた努力を強調しています。
このような微妙な違いが英語の表現の豊かさを生み出しています。
「was able to」を使うことで、話に深みを加え、聞き手に対してより具体的な情報や感情を伝えることができます。
しかし、毎回「was able to」を使う必要はありません。
適切な場面で単純過去形と「was able to」を織り交ぜることで、より表現豊かな英語になります。
この投稿の後半では、「was able to」と似た表現をさらに2つ紹介します。引き続きお読みください。
was able to と could の違い
「できた」と表現したいときに、couldを使いがちですが、実はcouldは「過去の能力や可能であったこと」を示す際に用いられます。
一方、Was able toは「実際に一回できたこと」を表現するときにのみに使います。
例文を見ましょう。
- Could 「過去の能力や可能であったことを表す」
- “When I was a child, I could climb trees.”(子供の頃、私は木に登ることができました。)
- “I could stay up late when I was younger.”(若い頃は、遅くまで起きていられました。)
- “I could travel a lot before but now I can’t. “(以前は旅行をたくさんできたけど、今はできなくなった。)
- Was able to 「実際に一回できた」
- “Yesterday, I was able to fix my computer by myself.”(昨日、自分でコンピューターを修理することができました。)
- “She was able to pass the driving test on her first try.”(彼女は初めての試みで運転試験に合格することができました。)
- “I was able to finish the project before the deadline.”(私は締切前にプロジェクトを完成させることができました。)
使い分けが少し難しいですが、was able toの方が会話で出てくることが多いので普段はwas able toを使うでしょう。
また、否定形において、「couldn’t」と「was not able to」はほぼ同じように使えますので、ここでは区別する必要はありません。
現在形における「can」と「be able to」にも大きな違いはなく、同じように使用できます。
要するに、過去形における「could」と「was able to」の使い分けに注意を払い、それぞれの状況に適した表現を選ぶことが重要です。
(was/were) able to 以外の表現
過去形の話し方で「was/were able to」を頻繁に使うことの重要性は理解いただけたかと思います。
しかし、「was able to」を過度に使いすぎると話が単調になりがちです。
そこで、以下のような他の表現を織り交ぜることで、より表現豊かな会話が可能になります。
I got to….
「I got to…」というフレーズは、「~する機会があった」「経験することができた」という意味になります。
例文
- “I got to meet my favorite author last weekend.”(先週末、お気に入りの作家に会う機会がありました。)
- “I got to travel around Europe last summer.”(去年の夏、ヨーロッパを旅行することができました。)
*I got toは義務を表す際に用います「~する必要がある」。I have to と同じ表現になります。
I had a chance to…
I had a chance to は「~する機会があった」という意味で使われます。
例文
- “I had a chance to try skydiving last summer.”(去年の夏、スカイダイビングを試す機会がありました。)
- “I had a chance to meet the CEO of our company.”(私たちの会社のCEOに会う機会がありました。)
「I got to」と「I had a chance to」はどちらも「特定の経験をする機会」を表し、「was able to」と似た意味合いで使用されます。
これらの表現を使うことで、単純過去形だけに頼る話し方から脱却し、より豊かな英会話を楽しむことができます。
あなたの英会話にぜひ取り入れてみてください。
まとめ
「was/were able to」は、単純過去形の使用から一歩進んだ表現です。
この表現を使う際には、「could」との使い分けに注意が必要です。
さらに、「I got to…」や「I had a chance to…」といった表現も積極的に使うことで、表現豊かな英語を目指しましょう。
新しい表現を英会話に取り入れる際には、まず自分の言いたいことを文章にすることが効果的です。
私は、英語日記を書く習慣が英会話の上達に大いに役立つと考えています。
英語日記を書くことで、新しい語彙や表現を実践的に使う機会が増え、自然な英語表現が身につきます。
英語日記の書き方に興味がある方には、このブログの別の投稿をお勧めします。
こちらでは、英語日記の効果的な書き方や、日常の出来事を英語でどのように表現するかについて詳しく説明しています。
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実は「Be able to」は過去形だけでなく、非常に汎用性の高い表現です。
他の使い方を学びたい方は、こちらの投稿をご参照ください。